卒業研究/特別研究の進め方
1.研究テーマの決定
私の研究に関連するテーマや卒業研究/特別研究としてふさわしいと思うテーマを幾つか学生に提示しますので、相談しながら各自の卒業研究テーマを選択します。基本的には学生のアイデアや進め方を尊重したいと考えていますが、安易な取り組みを認める訳ではありませんので自分の行動に対しての責任を意識して卒業研究/特別研究に取り組んでください。
アイデアや研究の進め方に対しては、様々な機会に議論を行いますので、その都 度修正するべきところは修正する様に指導したいと考えています。
卒業研究の取り組みの中で研究テーマについて、以下の質問に答えられなければなりません。
- 何をするのか?
- なぜその研究/開発を行うのか?
- その研究/開発の目標とあなたが行う研究/開発の位置付けは?
- 同じような研究/開発は今までに行われていないのか?
- その研究を進める上で必要とされる知識や技術は何か
- その研究の具体的な手順
研究テーマを選んだときには、答えられないかもしれません。しかし、研究を進めていく上で以上の点を明らかにしてください。特に、夏休み明けに中間発表 が行われます。その時には明確に答えられるようにしてください。そのための方法については、「研究調査について」を参照してください。
2.導入教育
研究内容にもよりますが、最初の2~3ケ月は主に研究を進めるために必要な知識や技術の学習に当てます。
物性関係の研究では、電子デバイスおよび各種表面分析技術の学習や数値計算とプログラミング技術の学習期間に当てますので、しっかりと基礎的な内容について学習しましょう。
- 真空ポンプおよび真空計の原理
- 真空蒸着装置の使用方法
- 電気加熱炉の使用方法
- 試料洗浄の手順および溶液の取り扱いについて
- X線光電子分光(XPS)法の基礎と使用方法
- X線回折の基礎と使用方法
- イオン注入の原理とシミュレーションの使用
- ラザフォード後方散乱分光の原理とシミュレーションの使用
- 走査型電子顕微鏡の原理
一方、放射線検出回路印鑑する研究については、プログラミングの学習や電子回路の学習期間に当てますので、しっかりと基礎的な内容について学習しましょう。
- DesignProによる回路設計
- 回路シミュレータによる回路設計
- 基板加工機の使用方法
- 各種計測器の使用方法
- Arduino/PICプログラミング
- 3D-CAD(Fusion 360等)による設計
- 3Dプロッタ・レーザー加工機による加工
3.取り組み方
卒業研究/特別研究への取り組み方は、基本的に本人の意思を尊重したいと思います。ただし、自由にできるという事は、それ相応の責任が伴うことを認識してください。何もせずに、遊んでいても良いわけではありませんので、その点を勘違いしないでください。
4.成果報告
卒業研究/特別研究の成果は、”学生による研究発表会”(3月)や各種学会(3月、9月)などで発表するつもりで取り組んでください。特に専攻科生には、少なくとも1度は学外での発表を行うことが求められていますので、そのつもりで特別研究に取り組んで下さい。
5.休暇期間中の卒業研究
春休みや夏休み等の長期休暇期間中の卒業研究/特別研究に関しては、研究室内で相談して決めたいと考えています。開講期間中は、週に一度研究室ゼミを開 催し、一人ずつ順番に全員の前で発表を行ってもらいますので、月に1回程度は発表することになります。発表内容は、与えられた課題を自分自身が調べて発表 する場合や自分の行っている研究内容について発表する場合があります。
6.日報
自分自身が行った卒業研究/特別研究の内容に関して研究室グループウェア(Teams)の各研究チャネルに書いて下さい。また、打ち合わせ内容についても掲示板に書くようにして下さい。
会社の形態によって異なりますが、企業での業務では報告書の提出を義務つ けているところが非常に多く、日報、週報、月報と呼ばれる報告書を定期的に提出しなければならない会社も多く存在します。このような報告書は、習慣付けさ えできればそれほど難しいことではありませんので、早く慣れるようにしてください。